京都で創業してから190年余り。
南條工房は仏具として使われるおりんの制作を行ってきました。
暮らしの中でも、もっとおりんに触れてほしい。
そんな想いで開発した「LinNe」は、究極の音色を響かせることに向き合い、ときに非効率なことも受け入れながら、素材や工法など製造のすべてを設計しています。
長い年月をかけて培ってきた技術や知恵を尊びながら、新しいものづくりに励んでいます。



おりんづくりに使われる佐波理という合金は、銅とスズを合わせて作られる素材です。
LinNeでは通常よりもスズの多い独自の配合にこだわって制作しています。
熟練の技術を要しますが、おりんの振動率が高まるため、美しく響く余韻が生まれます。


また、独自の配合による佐波理により音色にこだわり続けたことで、古くから続けてきた「焼型鋳造」にも確信を持つことができました。
土から手作りした鋳型を窯で焼くこの鋳造法では、薪ならではの良質な炎により、澄んだ高い音色が生み出されるのです。
音色と向き合い続けた結果たどり着いたのは、今では世界で唯一無二となった伝統の工法でした。



01. 型づくり
鋳物土や粘土を練って成型・素焼きし、外型を作ります。その後、鋳造後に砕いた土を再利用して表面をコーティングし、黒鉛で仕上げて乾燥させます。
02. 型焼き
窯の中に乾燥した鋳型を並べ薪を使って、じっくりと鋳型を焼いていきます。
03. 鋳造
窯から出して、冷ました鋳型の温度と、銅とスズで作った佐波理の溶け具合とタイミングを見計らい、鋳型に佐波理を鋳込みます。
04. 切削
手動旋盤で鋳物の黒皮(表面)を荒削りします。その後、切削加工を繰り返し、音に最適な形や厚みにしていきます。
05. 仕上げ
轆轤(ろくろ)を使い研磨剤でおりんを磨いた後、熱処理を行い焼き入れを行います。検品しながら、一つひとつ音色を確認していきます。
06. くみひも
完成したおりんに紐を取り付け、製品化しお客様へお届けします。